19世紀のフランスは、フランス革命の余燼を残したナポレオン帝政時代で幕を開け、王政復古、七月革命、普仏戦争といった政治的変動が続く一方、産業革命による工業化、鉄道など近代技術の発展による生活様式の変化など、大きな社会の変化がありました。それらは同時代の画家たちにも大きな影響を与え、さまざまな絵画の流れが生まれるとともに、多くの巨匠たちがその個性を競いあって絵画の黄金時代を築き上げました。
本展は、ボルドー、リール、ナンシー、レンヌ、トゥールといったフランス各地の美術館から多彩な作品を選りすぐり、新古典主義、ロマン派、バルビゾン派、写実主義を経て、印象派や世紀末絵画へといたるフランス19世紀絵画の流れを紹介するものです。ロマン派の巨匠ドラクロワ、バルビゾン派の詩人画家コロー、写実派の巨人クルーベ、そして印象派のモネやルノワールのほか、ゴッホ、ルドン、スーラ、ボナールなど、まさにきら星のごとく天才画家を輩出した19世紀フランスの名宝とも言うべき絵画の数々をお楽しみください。