ウィーン美術史美術館は、ハプスブルグ家が収集した最高級の芸術品を多く展示していることで知られており、世界最大規模を誇る美術博物館です。中でも古代エジプト美術のコレクションは、かの大英博物館、カイロ博物館とならぶ、世界三代コレクションのひとつといわれています。このコレクションは、ナポレオンの遠征によって古代エジプトが脚光を浴びた19世紀初頭から収蔵作品が増大し、1821年頃には既に数千点に達していました。以後、さらなるエジプトの調査発掘により、充実したコレクションとなりました。
この展覧会は、ウィーン美術史美術館の総館長であり、エジプト考古学の専門家であるヴィルフリート・サイペル博士の指導のもとに、古代エジプト文明の初期からギリシャ・ローマ支配の時代にいたるエジプト王国四千年の歴史を紹介するものです。全141点で構成され、「神とファラオ」、「古代エジプト人の生と死」、「古代エジプト人の生活」という三つのテーマに分かれて展示されます。
古代エジプトの高度な文化から生まれた作品に接することができるとともに、古代エジプト文明についての知識と理解を深めるための、好機となるでしょう。