川崎には多くの鉄道が通っています。交通の要衝に位置し、工業都市としての役割を果たしてきた川崎は、鉄道貨物の分野でも重要な役割を担ってきました。本展では、川崎をめぐる鉄道の中でも、貨物鉄道に光を当てていきます。
前半では、「東洋一」とも称された新鶴見操車場を中心に取り上げます。操車場とは、全国から多くの貨車を集め、それぞれ新たな方面へと再編成する鉄道貨物輸送の要となる役割を持っていました。その運営には多くの要員と複雑なオペレーションが必要でした。
こうした巨大操車場は国鉄がJRへと変わっていく段階で消えていきましたが、現在でも川崎市内では、臨海部を中心に多くの鉄道貨物が取り扱われています。後半では、塩浜操駅(現・川崎貨物駅)を中心に、工業都市川崎の形成と鉄道貨物の移り変わりを見ていきます。