11月27日から北栄みらい伝承館で開催する共同企画「不滅の刀~よみがえる伯耆国(ほうきのくに)の赤羽刀(あかばねとう)~」にあわせて、博物館では因幡国(いなばのくに)ゆかりの刀剣を展示します。
刀剣は、鳥取藩の初代藩主池田光仲(いけだみつなか)が鳥取東照宮(とっとりとうしょうぐう)に神剣として奉納したものです。鳥取東照宮は、徳川家康のひ孫にあたる光仲(みつなか)が、慶安3年(1650)に日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)から祭神(東照大権現)を勧請(かんじょう)して創始したもので、藩内では別格の存在に位置づけられました。光仲による奉納は、東照宮への崇敬の念を示すものといえるでしょう。
奉納された神剣のうち、太刀は山城国(やましろのくに)(現京都府)の名工・藤原国路(ふじわらくにみち)の高弟である信濃大掾忠国(しなのだいじょうただくに)が 作刀したもので、忠国の傑作のひとつに数えられます。
外装は伊勢神宮の御神宝太刀(ごしんぽうたち)を写した珍しい玉纏太刀拵(たままきたちこしらえ)となっており、どちらも鳥取県指定文化財に指定されています。
本展では、武器としての機能性だけではなく、神に捧げられた神剣を展示することで、その精神性や刀装具の美しさなどについても理解を深めいただくことを目的としています。