本展は二〇一九年春に開催した展覧会「国宝の殿堂 藤田美術館展」の続編で、平安時代から近代にいたる各時代、そして日本美術に影響を与え続けた中国まで、同館が所蔵する様々な時代の絵画の名品を一堂にご紹介する特別展です。
大阪の実業家・藤田傅三郎(ふじたでんざぶろう)(一八四一~一九一二)の蒐集にはじまる藤田美術館の絵画コレクションには、日本絵画史を通史的に把握するに十分な作品が擁されています。このたび、藤田美術館と奈良国立博物館が共同で行った収蔵品調査によって、未紹介の重要作品の存在も多数明らかとなりました。本展ではこうした初公開となる隠れた名品を含めた展示によって、藤田コレクションの奥深さ、さらには、コレクションが形づくられた頃の日本美術史の様相までを知ることができるでしょう。
二〇二二年四月に控えた藤田美術館のリニューアルオープンを前に、コレクションの魅力を一層深く味わっていただく特別な機会となります。