西洋のキリスト教を基盤とした絵画では、人間や自然のあらゆるものは神の創造物として長く表現されてきましたが、東洋・日本では、花・鳥さらには草や虫などは自然に生きる存在そのものとして捉えられ、時に美しく、かわいらしいその姿に着目した花鳥画は掛け軸や屏風、襖絵、額絵として、室内にいながら自然を身近に感じられる存在として人気のジャンルとなりました。
また、はじめ歴史上の著名な人物や伝説上の人物を描いた人物画は次第に、一般の人々や身近な人物なども加わり、幅広く描かれるようになりました。
こうした花鳥画、人物画の伝統は近代になって西洋美術等の影響を受けて風景画や静物画などが加わり、現代ではさらに変容して多様な表現が生まれる中、生命は脈々と描き続けられています。
ここでは、近・現代の花鳥画、人物画を中心にご紹介します。画家による生命の輝きを表現した作品の数々をご覧ください。