「女優と文化財」は昭和39年から2年間、月刊誌「婦人公論」の表紙を飾った作品です。吉永小百合さんと深大寺釈迦倚像、佐久間良子さんと能面、岩下志麻さんと日光東照宮など、当時のトップ女優17人と国宝級文化財との組み合わせを撮った作品は、土門作品の中でも異色作と言えるでしょう。
企画当初、土門拳は即座に断ったそうですが、当時の担当編集者の10日間に及ぶ日参に口説き落とされ、「女優を泣かせるけど、いいか」の条件でスタートしたということです。
文化財の選定は土門拳。衣装デザインは森英恵さん。契約は1年連載でしたが、大好評につき2年に延長されました。24点の作品とともに撮影現場のスナップや、土門拳自身の撮影後記も紹介いたします。
展示作品
「岡田茉莉子さんと広隆寺弥勒菩薩」「岩下志麻さんと東照宮本殿唐門扉」「星由里子さんと立雛」「藤由紀子さんと智積院桜図」「笹森礼子さんと赤糸威大鎧」「浜美枝さんと信楽の大壺」「三田佳子さんと龍安寺の石庭」「浜美枝さんと苔寺の枯山水」「高田美和さんと東寺大師堂」「新珠三千代さんと嵯峨野の石仏」「若尾文子さんと千手観音」「佐久間良子さんと能面」「有馬稲子さんと東寺の帝釈天」「三田佳子さんと文楽人形のお園」「桑野みゆきさんと南禅寺方丈の襖絵」「司葉子さんと埴輪」「佐久間良子さんと平等院鳳凰堂」「加賀まりこさんと能衣装」「岩下志麻さんと騎牛庵」「吉永小百合さんと深大寺釈倚像」