愛媛県松山市に生まれ、日本におけるモダンデザインの草分けとして知られる杉浦非水(すぎうら ひすい、1876-1965年)。日本画家を志して上京しますが、洋画家黒田清輝との出会いをきっかけにデザインの道に進みました。1908年に三越呉服店に職を得ると、27年間にわたって同店の広告を手がけ、巧みなデザインによって一躍その名を知らしめます。本の装丁、パッケージデザインなどにも優れた手腕を見せ、その明るく洗練されたデザインの数々は、今もなお色あせない魅力を持っています。
本展では、ポスターや図案集などの代表作のほか、制作の過程を示すスケッチや写真、遺愛の品々から、非水の生涯をたどります。東海地方の美術館では初めてとなる非水の大規模回顧展を、ぜひお見逃しなく。