このダイナミックでリズミカルな抽象表現は、ヴァイオリニストでもある彼女の感性と伸びやかな腕の動きから生まれたものであろうか。
沈黙を爆発させ心の叫びを表現したいと思いたち、自分でなければ描けない表現形式を見つけられたのは見事である。
作者の心の中の不安や恐怖-心の闇とはなんであろうかと、そのモノプリント版画の画面構成を見つめてしまう。
この技法で多くの作品を制作して行くうちに、いつしか技法がパターン化しないように、そしてより深く人の心に届くような表現になっていくようにと願い、はじめての東京での個展を祝う励ましの言葉としたい。
版画家 星野美智子