文久3年(1863)春、尊皇攘夷運動の嵐が吹き荒れる京都の町に、日本の将来を憂う志士たちがやってきました。彼らこそ、幕末史にその名を残す新選組の前身、壬生浪士組です。京都守護職松平容保(会津藩主)のもとに置かれ、活動を始めた壬生浪士組は、幾度もの分裂を経ながら近藤勇・土方歳三を中核とする戦闘者集団、新選組へと変化していきます。新選組は、政治の中心となった京都において、尊攘派の取締にあたり、その名を全国に知られる存在となっていきました。しかし、結成から明治2年(1869)の土方の死まで、わずか6年。その間に政局は混迷し、ついに時代の流れは幕府政治を終焉へと導いていきました。新選組は、激動の幕末維新期を矢のように駆け抜けた若者たちでした。
本展覧会は、NHK大河ドラマと連動しながらも、京都、東京・多摩地区など新選組ゆかりの地や個人の元に残された貴重な遺品の数々と歴史資料から、赤心報国の大義に衝き動かされて、果断に行動した若者たちの生き様と非情な歴史の流れを跡づける歴史展です。未曾有の転換期に翻弄されながらも、最期まで未来を信じて生きた若者たちの姿から、幕末という時代のエネルギーを感じ取っていただければ幸いです。