佐賀県立美術館は開館以来、明治から昭和初期にかけて活躍した佐賀県出身の日本近代洋画の巨匠、岡田三郎助(おかだ・さぶろうすけ、1869~1939)の画業と人物を顕彰してきました。
岡田三郎助は画家として活躍する一方、教育者としても大きな存在感を発揮しました。
岡田は、東京美術学校の助教授として1902年(明治35年)から西洋画を教え始め、さらに、私塾本郷絵画研究所(本郷洋画研究所)を設立。また、当時先進的であった女性のための洋画教育にも取り組み、私立女子美術学校西洋画科で教教鞭を執りながら、自宅に女子洋画研究所を私設しました。
こうした後進のための教育の中で、彼のもとからは古沢岩美、田村一男、甲斐仁代など後に活躍する数々の美術家たちが巣立っていきました。
他にも、岡田は、山口亮一、御厨純一、北島浅一らとともに「佐賀美術協会」を創設し、佐賀で初めて、美術家たちが本格的に展示できる機会を与えたのです。
今回のOKADA-ROOMでは、教育者としての岡田に焦点を当て、岡田が残した名品と、彼が育てた洋画家たちの作品と合わせて御紹介します。
なお、本展は9月7日(火曜日)から10月17日(日曜日)まで開催する、特別展「白馬、翔びたつ ―黒田清輝と岡田三郎助―」とあわせて御観覧いただくことで、より深くお楽しみいただけます。