2020年9月に逝去された倉吉市名誉市民で重要無形文化財「木工芸」保持者・(通称:人間国宝)大坂弘道(1937-2020)の展覧会を開催します。
倉吉市では大坂弘道最晩年に制作した5点の作品や図案、道具、書籍などをご遺族より寄贈いただき、2021年4月に東京都練馬区から倉吉市に運搬しました。
大坂の存在が広く知られるきっかけとなったのは正倉院宝物の復元模造を制作したことによります。宝物復元にあたり大坂は何年もかけて調査を行い、多くの書籍や資料を集め、調査図面やメモなどを遺しています。また、宝物復元をきっかけに自身の創作も新たな境地へと発展させ、他の追随を許さない独創的な仕事を生涯続けました。
大学進学を機に生まれ育った倉吉市を離れた大坂の故郷への想いは熱く、郷土の山や川をモチーフに制作も行っています。晩年は1点でも多くの作品を故郷に贈りたいと制作を続け、倉吉市の所蔵する作品は約100点となりました。
本展では、大坂の制作現場や図案なども紹介し制作の過程に迫ります。