しまうちみかはドローイングや彫刻作品を中心に制作・発表し、過剰に合理化された社会への疑問を投げかけています。
時に彼女の彫刻作品は、重力や土の性質のために起きる頼りない造形や、焼成のときに不覚にも起きる亀裂なども利用して制作されます。重力や焼成といった物理法則に制限される造形を持ちながらも、そこに在らんとする作品群は、「私たち」のために合理化された社会に生きる私たちが、そこに収まりきらないものを抱える矛盾を示すかのようです。
今回の滞在では、しまうちみかが関心を寄せてきた火にまつわる信仰や人の高揚感についてリサーチを行い、新作の彫刻作品を含め展覧会で発表します。近年取り組み「野焼き」と表現する、野外での焼成による新作制作のプロセスも他者と共有しながら、火にまつわる感覚や文化について思考していきます。