開館30周年を記念し「The Gift 寄贈をうけた作品選+新収蔵品展」を開催します。
作品の収集は美術館活動の重要な根幹です。当館にはもともとコレクションの母体がなく、1960年代半ばから一作家一点寄贈運動を契機として収集活動がはじまりました。その草創期には平塚出身の洋画家・鳥海青児に当時の市長・加藤一太郎が直接寄贈を依頼したことを皮切りに、およそ10年で湘南ゆかりの作家の作品110点あまりが寄贈されました。
1976年の平塚市博物館の開館に際し、美術担当が設けられると作品寄贈が活発化し、井上三綱や二見利節の作品などが収蔵されました。
さらに美術館の建設基本計画で収集の方針が定められ、建設にあたっては自らの意志で購入していくべきとして決められた購入予算のもとで、質の高いコレクションの形成を目指しました。今回の展示の趣旨である「寄贈」へと話を戻すなら、美術館の開館までの時期には6000点を超える寄贈があり、開館以後は展覧会での出品を機とした寄贈も増加していきました。
そこで本展では、このように特徴づけられ、折々に作家や関係者から贈られた寄贈作品を「前史」「博物館時代をへて美術館開館へ」「新収蔵品」の3つの章にわけ、およそ70点の作品によってその一端を紹介します。
これらの作品は、市や美術館建設、地域文化を発展させたいという想いがこもったギフトであり、当館が開館するにあたっての大きな原動力になりました。さらにThe Giftという展覧会名には、このような経緯で開館を迎え30周年となった美術館から皆様へのお礼を込めた贈り物という意味が込められています。珠玉のギフトをご堪能いただければ幸いです。