桜は古くから日本人に愛され、絵画や工芸品、和歌などにとりあげられてきました。多くの文化財を所蔵する金刀比羅宮にも桜を表現した優れた美術工芸品が伝えられていますが、そのひとつである本宮天井の桜樹木地蒔絵(明治時代)は、平成16年、新たに復元制作されました。
本展では、この蒔絵の完成を機に、金刀比羅宮の宝物の中から「桜」を主題とする美術作品を集めて紹介します。花といえば桜をさす、といわれるほど私たちの美意識に浸透してきた桜。その姿に人はどのような想いを託してきたのでしょうか。
本宮に納められる前の蒔絵全点の特別公開にあわせて、蹴鞠の場をいろどる「なよ竹物語絵巻」(重要文化財)の桜、伏見天皇が詠んだ風に散る水際の桜など、様々に咲く作品の中の桜をお楽しみください。