絵を描くとき 私のこころはひとりでに
東の方を向いてしまうのです 子供の頃から そうでした
東の方には 大きな鳥居があり 巨岩があり 即身仏があります
揺らぐことのない 自然と人間の一体感があります
それ は私の 内なる月山 であり 男と女 生と死 という現実の
生命と重なっているのです
この 原初的な生命感のようなものを表現したい というのが
私の願いです
2009年3月「ギャラリーまつ」での個展あいさつ文より
庄内の自然を愛し、人間を愛し、絵を描くことを愛してやまなかった、ひとりの画人・白幡進(1934-2018)氏の、画業の軌跡を辿る大回顧展。
本展は、内包する精神世界を描いた晩年のテーマ「人間の生と死」のほか、高校時代の自画像や青年期に制作した静物・風景・裸婦、教員時代に描いた身近な人々や家族などを一堂に紹介します。
第一会場(美術展覧会場)では、代表作「悠久」「新生」ほか、大作の油彩作品を中心に約30点を展観。また、学校買い上げとなった卒業制作「風景」(金沢美術工芸大学所蔵)や、鶴岡南高等学校所蔵の「老人」などを特別展示いたします。
第二会場(重要文化財旧鶴岡警察署庁舎内)では、学生時代のデッサンや油彩画、習作、同窓会報「鶴翔」表紙原画などを公開します。