小嶋悠司は、ものの形を借りず、色によって自らの思想を語ることを目指していたという。
生彩とは本来「美しいいろどり、生き生きと元気な様子」を表す言葉だが、小嶋作品を見て、どうしてこの言葉が浮かんだか不思議に思う方が多いだろう。小嶋作品が放つ色彩の奥深さ・彩りは、人生の重みや深さ・思想、すべてを表現した『魂の色』だ。生きるための彩りは一般的な鮮やかさだけでなく、苦しみや哀しみを伴う色であって良いことを、小嶋作品は教えてくれる。
現在、コロナ禍で先が見えない苦境に私たちは立たされている。苦しい世の中を生きる今こそ小嶋作品を見てほしい。
「苦しさや悲しみの中で葛藤し、もがき、その中から自ら希望を見出すこと」「自分の人生の色を彩ること」
その大切さを小嶋悠司は、すべての生きる者へ問いかけている。