日本文学研究者ヘルベルト・プルチョウ氏(1939~2010)が収集した日本美術コレクションを紹介します。プルチョウ氏は、日本留学中に郷土人形の収集を始め、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で教鞭をとっていた頃に日本美術のハラリコレクションと出会い、関心が絵画へ向かったといいます。部屋に掛軸や屏風などを飾り、生活の中で日本美術を楽しんでいました。2008年に当館で開催したプルチョウコレクション展では、郷土人形、旧ハラリコレクション、歌仙絵と物語絵を紹介し、収集の過程をたどりました。
本学国際人文学部で多くの学生を指導していたプルチョウ氏は、その博識と穏やかな人柄で慕われていましたが、残念ながら2010年に逝去されました。このたびの展覧会では、最晩年に収集された《月次風俗図屏風》や《吉野山・和歌浦図屏風》などの初公開の風俗画とともに、コレクションの中でも華やかな源氏物語を描いた作品を展示します。日本文化を独自の視点で探究したジャパノロジスト、プルチョウ氏の愛蔵品の数々をお楽しみください。