ポーラ美術館は、ポーラグループのオーナーでありました故 鈴木常司が、1950年代のコレクション形成の初期に収集したレオナール・フジタ(藤田嗣治)の『誕生日』や、パブロ・ピカソの『花束を持つピエロに扮したパウロ』など、子どもを主題とした作品を数多く収蔵しています。なかでも、第2次大戦前にエコール・ド・パリの画家として名をはせたフジタが、戦後制作した子どもの肖像画や、職人に扮した子どもをユーモラスに描いた油彩画の連作『小さな職人達』は、子どもの世界にフジタ自身の空想が重ねあわされており、ひときわ異彩を放っています。美術の歴史において、子どもが描かれている作品は数多くありますが、近代以降の社会の中で子どもは新たな主題としてクローズ・アップされました。本展覧会では、フジタ、ピカソの子どもを主題とした絵画を中心に、ポーラ美術館のコレクションにおけるさまざまな子どもの表現をご紹介します。