ロンドン芸術大学を卒業後、絵画、写真、壁画制作など多彩な活躍で脚光を浴びるアーティスト、大竹彩子。アートアンリミテッドで3回目の個展は新作のペインティングと、出身地の愛媛県宇和島市と東京で撮影した写真を構成して発表する。作家はコロナ禍で、帰郷も叶わず、制作に没頭。2020年パルコミュージアム(東京)、2021年心斎橋PARCOで大規模な個展を実現し、大きな反響を呼んだ。今春、清里フォトアートミュージアムのヤングポートフォリオ2020で入賞。写真表現においても評価を確実なものにした。本展は、POPで大胆な色彩で力強い女性達を描いたペインティング7点を描きおろすと同時に、新鮮な視覚を提示する新作の写真、約20点を展示。新たなZINE(写真集)『UWAJIMA⇄TOKYO』も出版。急成長するアーティストの現在を感じる個展になりそうだ。
ステートメント
宇和島が月よりも遠くのように感じた一年だった。
けれど、宇和島⇄東京の心強い距離が私を保った。
父と母の出逢いのおかげで幼い頃から宇和島の穏やかな空気と東京の刺激的な空気を目一杯吸い込んできた。
私の原動力である“好奇心”は紛れもなく色も匂いも音も味も速度も異なるこの二箇所の往来で形成されたと感じる。
宇和島⇄東京で染み付いた記憶と一種の呪縛のように組み込まれたDNAは私の五感の核である。
2021年5月 大竹彩子