浮世絵の主要な題材の一つであった美人画には、当時流行の女性の髪形や着物のデザイン、化粧やしぐさなどが描かれており、当時の人々が時代ごとにどのような女性を理想としていたかを知ることができます。美人画の主なモデルとなるのは、人気のある花魁や町の看板娘などでした。
本展のテーマある「しぐさ」に着目すると、美人画には、多様なしぐさが描かれていることがわかります。しぐさとは、何かをするときのちょっとした動作や身のこなしを意味します。絵師たちは、手指の動きなど繊細なしぐさを描きながら、女性の表情や個性を巧みに表現しています。
本展では、江戸・明治・大正時代の美人画に描かれたしぐさを通して、美人画の魅力に迫ります。優美で色香漂うしぐさから、喜怒哀楽を表すしぐさまで多様なしぐさが描かれた美人画をお楽しみください。