本展では、郡山市立美術館のコレクションを通して、作品の技法と素材に着目します。表現と密接にかかわる筆づかいや、素材の持ち味が豊かに感じられる所蔵品を選りすぐり、現在郡山を中心に活躍する作家の作品とあわせて展示します。ぜひ実際の作品を見て、さまざまな技法と素材がかたちづくる質感の魅力を発見してください。
「郡山の美術とであう」――本展の前半部分では、長きにわたり広く地域の文化発展に貢献した、横田治右衛門(よこたじえもん)(1880-1958)のコレクションをご覧いただきます。郡山の旧家に生まれた横田は、東京で洋画を学ぶなど美術に造詣が深く、家業を営みながら同時代の画家たちと交流し、多くの美術品を収集しました。また、大正期から美術雑誌『美術春秋』の発行に力を注いだほか、郡山における美術運動の推進に大きな刺激を与えました。明治期に郡山に滞在して絵筆をふるった春日光親(かすがみつちか)(鉄山(てつざん))をはじめ、横田がであい、愛蔵した美術品の一部をご紹介します。