湊茉莉は丁寧なリサーチを出発点に、光の変化や時間の流れを絵画やインスタレーションとして視覚化しています。2006年の渡仏後、パリを拠点に日本とは異なるさまざまな文化を、スケッチブックに描き留めてきました。そうした多様な文化の観察を通して、太古から続く人間の行為である「描く」こと、またそこから生み出される「イメージ」の普遍性を探っています。
本展では、ザ・トライアングルが立地する土地の考古資料から、この場所にかつて存在していた流路をモチーフに展示を構成しました。時間とともに変化を続ける環境や積み重なってきた歴史に、実際の水の流れを重ね合わせることで、その途上に生きる現在のわたしたちの存在を浮かび上がらせようとします。