室町時代初期、猿楽を原型として大成された能楽は、
今なお演じられている日本の貴重な伝統芸能です。
近世以降は幕府や大名の保護を受けて、
「武家の式楽」として重んじられ、発展してきました。
当館では、因州(鳥取藩)池田家旧蔵の「能面」と、
備前(岡山藩)池田家旧蔵の「能装束」を多数所蔵しています。
本展ではこれらの能楽コレクションのうち、―秋色(しゅうしょく)―に注目した作品群を展覧いたします。色と模様の多彩な組み合わせにより「デザインの宝庫」とも称される能装束を中心に、秋らしい作品を選りすぐり、能のストーリーをあらわす謡曲との関係性にも触れます。
秋の謡曲にふさわしい能面をはじめ、秋を彩る絵画・工芸作品もあわせてご覧ください。