日本画家・平松礼二がこれまでにたどってきた道のりを振り返り、当館収蔵(寄贈・寄託)作品によって画業を紹介するシリーズです。
年代を追いながら年1回のペースで5回に分けて開催する予定です。
4回目の今回はアジア、アメリカを巡り外国の文化を通して日本人のルーツを探求してきた画家が、日本の叙情を心象風景として表現した作品を展示します。
韓国、中国、ニューヨークなど国外の風景を描く中で、日本の文化を強く意識するようになった平松画伯が、次に日本の風景として選んだ題材が「雨」と「山(嶽)」でした。
「雨」は日本人ならではの心情を表す画題として、「山(嶽)」は畏れを抱く信仰の対象として、どちらも単なる自然の風景ではなく、心象風景として日本人の感性に深く響いてきます。
今回の展示では、母の故郷・木曽川支流の河原に降る雨を描いた屏風や、富士山、桜島などの雄大な山の風景を詩情豊かに描いた作品を展示します。