ドイツのボンで開催された東京国立博物館日本美術名品展「日本の美 日本の心」(2003年8月29日~10月26日 ドイツ連邦共和国国立芸術展覧会ホール)の帰国展を開催します。この展覧会は、海外における当館の名品展としては今までにない規模のもので、10万人近い来館者数を記録しました。ボンでは、室町時代から江戸時代(15~18世紀)に焦点を当て、「書院」「京文化の担い手」「茶の湯」「能楽」「武士の装いと生活」「琳派」という6つのテーマのもと、日本美術の名品約120点を展示しました。この時代、文化を創造する側、享受する側の双方がさまざまな階層に広がり、その数は飛躍的に増えました。そこで形成された多様な文化が、現代につながる日本文化の基礎になったといえるでしょう。今回の帰国展では、ボンの展覧会場の構成にしたがって、ボンの出品作品のなかから70件を選んでご覧いただきます。ただし、作品の保存上の問題と会場の制約上、会期を2期に分けて、Ⅰ期に「武士の装いと生活」「書院」「能楽」の3テーマ、Ⅱ期に「京文化の担い手」「茶の湯」「琳派」の3テーマを展示します。海外の方に日本美術を紹介するために企画された本展は、まさに「日本の美 日本の心」を再発見する絶好の機会になることでしょう。