被写体は「地元」にある
手賀沼を誰よりも愛し、日々の美しい変化に魅せられ撮り続ける。
また、地域の伝統行事の大師講、沼南町周辺の自然を見つめた50年。
写真家 森かずおさんの世界をご覧いただきたいと思います。
レンズを覗く眼差しは一点の曇りもなく「被写体は地元にある」と手賀沼、沼南町、桜、大師講の人々などを見つめ続けてきました。
自らの感性を信じシャッターを切るその一瞬は、自らの命を削るようなものだと表現されています。50年に及ぶ写真歴の中で、周辺自治体の写真展では最優秀賞の常連、公募団体三軌会では、文部科学大臣賞を受賞されました。
文字通り在野の写真家として衆目の存在でした。
デジタルカメラが主流の中で森かずおさんは35ミリフィルム、大判フィルムで撮影を続けてきました。そこに映し出されている撮り直しのきかない一瞬を捉えた映像は、森さんの研ぎ澄まされた感性を彷彿させるものばかりです。
森かずおさんが撮り続けた50年の歴史は、郷土の歴史でもあり、そこに生きた人々の歴史でもあります。本展覧会を通して地域の歴史や自然を考える機会になればと思います。