近代日本画の展開の中で最も重要な役割を果たしてきた美術団体が日本美術院(院展)です。明治時代前期に西洋一辺倒の風潮に対する反動からアメリカ人の日本美術研究家のフェノロサを中心に伝統的日本画の復興運動が始まり、文部省の官吏・岡倉天心が日本美術院を創設しました。しかしながら理解が得られず数年後には活動停止に陥ります。大正3年横山大観、下村観山を中心に再興美術院として立て直され、以後今日まで美術史上大きな役割を担ってきました。
館蔵品の中から下村観山や安田靫彦の作品や、竹久夢二、山形にゆかりのある小松均等、明治から昭和にかけての作品、天童市指定有形文化財・歌川広重の肉筆画も出展します。さらに、近代日本文学において、俳句、短歌、小説など著名な作品を残した文芸家、正岡子規、夏目漱石、高村光太郎、斎藤茂吉等親しみのある作家の書を紹介します。