出羽桜美術館の所蔵品の中から、李氏朝鮮王朝時代(李朝)の陶磁器の優品を展示いたします。
518年間も続いた李朝(1392-1910)は、中国の影響を受けながら多様な展開を見せ、独特の美意識を反映させていきました。
儒教精神の社会では、清廉潔白・質素倹約を美徳とし白色が重要視され、陶磁生産は白磁が隆盛を極めました。柔和さ、力強さを感じさせる飾り気のないフォルムとあたたかな肌合いが「白磁」の味わいであり、白磁の素地に呉須で絵付けした「染付」は、繊細な描写に清雅な雰囲気が見られます。
さらに、鉄絵具でおおらかな装飾文様を絵付けした「鉄砂」、銅を含んだ顔料で文様を施した「辰砂」へと展開していきます。
今展では、清涼感のある「白磁」と「染付」を中心に展示し、多様な李朝の美の世界をご紹介いたします。日本のやきものに大きな影響を与えた朝鮮陶磁、心和む李朝の陶磁器をこの機会にご鑑賞下さい。