一見すると、絵画か写真のように自然な風景として目に映る大村作品。ところが実際近づいてみると、美しく彩られた画面が、あの安価でどこにでもある丸シールで出来上がっていることに驚かされるでしょう。大村は、油彩画で身に付けた色彩感覚や造形感覚を研ぎ澄ませ、丸シールという身近な素材で誰もが楽しめる表現を追求します。それらは写真や絵画と見紛う高い再現性を持ちつつ、生々しい手作業の痕跡や素材の物質感を残し、美しさの中に違和感やギャップをはらんだ表現で観る者の視覚を刺激します。本展では、夜景や花、ステンドグラスなどの代表作とともに、シールアートの開拓者として新たな挑戦を続ける大村の最新作含め約20点を展示します。