大正時代、夢見がちな瞳の女性を描き一世を風靡した竹久夢二。パステルカラーの優美な女性像で知られるマリー・ローランサン。二人の作品は華やかで可憐に見えますが、当時としては前衛的(アヴァンギャルド)な芸術でした。大正期の日本では、ローランサンはフォーヴィスム(野獣派)やドイツ表現主義に属する作家たちと共に前衛芸術家として紹介されています。また、夢二は雑誌や画集などから同時代の西洋美術について研究しており、ドイツ表現主義をはじめとする前衛芸術から影響を受けたとされる作品が残っています。本展覧会では、夢二とローランサンの作品と同時のフォーヴィスムや表現主義による作品をあわせて展示することで、竹久夢二やマリー・ローランサンと20世紀初頭の芸術との関係に迫ります。