佐賀県立美術館は、美術品の収集・展示等を通し、本県の美術文化の発展に寄与するため、昭和58年(1983年)10月に開館しました。以後現在まで、岡田三郎助など日本を代表する近代美術作品をはじめ、佐賀県ゆかりの作品を収集し展示を行っています。現在、そのコレクションの数は4,000点を超え、内容は日本画、洋画、彫刻、工芸等多岐にわたり、郷土の美術の歴史を一望できる、極めて充実したものとなっています。
今回のコレクション展では、近代から現代につながる郷土の美術の歴史について、いくつかのトピックに基づき御紹介します。古川松根や成富椿屋といった江戸から明治にかけての絵師の作品、百武兼行や岡田三郎助ら近代洋画の先駆者たちの作品、さらに県内の美術展覧会や美術教育など美術界の動向にも触れつつ、佐賀の美術の歩みを振り返ります。本展を通して、当館の充実したコレクションをより深く知っていただくとともに、郷土の美術の多様性と、それらをじっくり鑑賞する楽しさを味わっていただきます。
また特別展示として、令和2年(2020年)11月30日に92歳で没した佐賀県出身のアヴァンギャルド(前衛)美術作家・池田龍雄の作品について、当館のコレクションから5点を紹介します。