ロンドン有数の文教地区・ブルームズベリーにそそり立つ大英博物館は、1753年、医師ハンス・スローンによる8万点の収集品が国に託され、創設されました。以来、同館は人類が生んだ知的文化遺産の収集のためにたゆまぬ努力を続け、収蔵品数700万点を超える世界最大規模の博物館になりました。収蔵品の範囲は古代文明の遺物のみならず、世界屈指の版画・素描コレクション、民俗学資料まで多岐にわたり、世界の諸文化の研究に欠かせないものとなっています。
本展は、創立250周年を記念して大英博物館が海外に送り出す唯一のプロジェクトです。コレクションを構成する8部門すべてから作品を選ぶのは、同館の海外貸出展でも初めての試みで、「世界の文化がひとつの屋根の下に集う殿堂」といわれる大英博物館のエッセンスを凝縮したものになります。多岐にわたる収蔵品から精選した約270点を「大英博物館の250年」「古代オリエント世界」「ヨーロッパ」「アフリカ・アメリカ・オセアニア」「アジア」の5セクションに分けて展示。世界をパノラマのように一望し、1万年にわたる人類の記憶を追体験するたびをお楽しみ下さい。