「MOTアニュアル」は東京都現代美術館が1999年に開始したシリーズ企画で、日本の新しい美術の成果を毎年グループ展のかたちで紹介するものです。5回目となる2004年は、「私はどこから来たのか/そしてどこへ行くのか」と題して、最近の動向の一面を切り取ります。
情報技術の進歩で様々な地域で起きている事柄を瞬時に知ることは容易になりましたが、一方で今日のように日々の変化の激しい状況にあっては、現在を時間的なスパンのなかで位置づけることは極めて難しいものとなっています。
本展では思考停止をやめ、過去や未来を視野に入れて現在を捉えていく強靭な思考をアーティストの創造力と考え、創作活動を展開する作家を紹介します。そこでは、不安定な現代社会に生きる様々な世代のひとびとのアイデンティティの問題が主題のひとつとして浮かび上がるでしょう。また、歴史的視野に立つ作品においては、作品の内部に時間表現を抱えており、本展が多様なメディウムの特性とその可能性を再考する場ともなることを願っております。
―出品作家―
磯山智之、内海聖史、奥井ゆみ子、北島敬三、小瀬村真美、中ザワヒデキ、三浦淳子、山口晃
―出品作品―
絵画、写真、映像、テキスト等 約40点(組作品を含む)を予定