この度、城西大学水田美術館におきまして、「鈴木遂峰書展」を開催いたします。
本学経済学部で教鞭を執る傍ら、書家としても活躍されている作家の屏風を含む書作品12点に加え、墨や硯、筆を合わせた計27点を展示いたします。
余白の「白」と墨の「黒」が織り成す書の世界に、一人向き合い続ける作家が目指す「美」の世界に触れていただければ幸いです。
城西大学水田美術館
この度、本学・水田美術館にて五年振り三度目の個展を開催させていただく運びと相成りました。
私の書暦は、二歳より母に師事し、以来、四十六の身となる今日まで書壇には一切登壇せず、弟子も取らず、一人で続けて参りました。人生百年時代、丁度中間点でございます。
書は、「黒と白の美の世界」です。一見、黒(文字の美)ばかりに目が行きがちですが、白(余白の美)もそれ以上に美しいものでなければなりません。書作は、臨書研究に始まり、 「文房四寶(ぶんぼうしほう)」殊に墨色の探求、漢詩文の研究さらには表装の選択にまで至ります。私の書論は至って単純であり、「最上の文房四寶(墨・紙・硯・筆)を使用して揮毫し、最上の表装を施す」というものです。
書を習うにつれ、いつの間にかこうした要素を融合し、建築の中に「黒と白の世界」、殊に「余白の美」を一人で眺めては、独自の境地を探求するようになりました。
墨色、表装の美を合わせまして御高覧賜りますなら、作者として幸甚の至りです。
鈴木 遂峰(すいほう)(経済学部准教授・鈴木 雅勝)