名作児童文学の魅力を、作品舞台の土地の美しい写真とストーリーでご紹介する写真展の第5回目は、子どもから大人まで世界中で愛読されるA.A.ミルン作「クマのプーさん」シリーズをとりあげます。
「クマのプーさん」、「プー横丁にたった家」で、クリストファー・ロビン少年とクマのプー、コブタ、ウサギ、ロバのイーヨーたちは、森の中でさまざまな出来事に会い、冒険に乗り出します。明るい詩がはさまった軽妙な文章と、失敗してもすぐ立ち直るユーモラスな登場人物、意外な展開が楽しめるストーリーで多くの子どもに親しまれてきた二つの物語は児童文学の不朽の名作です。
舞台となったイングランド南東のアッシュダウン・フォレスト周辺の風景はいまなお美しく、おなじみのE.H.シェパードの挿絵そのままの世界がひろがっています。今回は、アウトドア写真で活躍中の写真家・中川祐二氏による60点の写真で、プーとクリストファー・ロビンがいまも遊ぶ「魔法の森」へご案内します。
身近な自然やお気に入りの場所で自分や友だちが主人公の物語を作ったり、冒険を想像して楽しむ豊かな時間を、子どもは勿論、忙しい大人も見直す機会となることでしょう。
なお、本展で作成したパネルは会期終了後には世田谷区内の小中学校に貸し出され、文学に親しむ教材として活用されます。