「花と鳥と人を描いた絵画を通して、巡る季節の便りに心躍らせ、絵画に心遊ばせる「遊画な季(ゆうがなとき)をお届けします。鳥を愛した上村松篁、福田平八郎、優しい色彩美を魅せる花を描いた堀文子、森田りえ子、夏を楽しむ人物画では上村松園、鏑木清方、伊東深水など、日本画を中心に洋画、デッサンを織り交ぜてご紹介します。
自然美の象徴として親しまれてきた花と鳥。本展では、季節の便りを届ける鳥、そして新緑が美しい初夏から、残暑を迎えるまでの夏を旬とする花を取り上げます。画家は、花の開花に胸を弾ませ、自然の鳥の声に耳を傾け、その姿を見つけた時の感動をもとに作品を描きます。本展では、名古屋大学博物館の協力のもと、描かれた花と鳥の実物写真をその特徴と共にご紹介します。また、鳥や花の生命力を伝える下図や写生デッサンもあわせてご紹介します。自然の中に花鳥を発見した時の感動に思いをはせながら、画家が描きとった花鳥の美をお楽しみください。
会場では、空間自体を華やかに演出する大きな屏風作品も展覧します。花鳥画の中でも日本で特に好まれた春夏秋冬の花鳥が集う四季花鳥図屏風。そして、十二カ月の草花を詳細に描いた山本澄江の屏風。二つの屏風作品を鑑賞しながら、巡りゆく季の流れ巡ってみましょう。
また、身近な場所で夏の風情を楽しむ美人画、人物画を合わせてご紹介します。遠くに出かけなくとも、夕涼みに蛍狩り。夏のお昼寝・・・。たくさんの「夏」を味わうことができます。
美術館でバードウォッチング!夏の花見!自然のゆったりとした時間の中に夏を楽しむ人の姿。季節を感じさせる花と鳥と人をテーマとした絵画に心を遊ばせてみませんか。