SNSやインターネットなどが普及し、多様化する現代社会の中で、その進むべき方向を模索する段階にある日本画。画材である岩絵具を様々な方法で用いて、その可能性を探る若い作家たちは、一人一人がこれからの芸術を担う開拓者です。地元名古屋を中心に愛知、岐阜、三重の東海3県の作家に注目して展覧会を展開する当美術館では、定期的に地元若手作家の作品、活動を発信してゆく場を提供してゆきたいと考え、展覧会を開催して参りました。
本企画は、平成12年、16年「岩絵具の可能性を求めて~名古屋発、若手作家からの提言Ⅰ・Ⅱ」、平成21年「日本画の今~若手作家の挑戦」と開催してきました古川美術館若手作家展 の第4弾となります。現在日本画の会派は大きく日展・院展・創画会があり、それぞれの特色を生かしながら精力的な活動を続けています。また、会派に属さず無所属として活動する作家もいます。
本展は各会派および無所属から、過去の若手作家展の出品作家、当館と関わりのある方4名を選出者として招聘し、伝統的な表現や、若い作家ならではの挑戦的な新しい表現方法まで、様々な角度から”日本画の今”そしてその可能性を探求した意欲溢れる作品を制作する若手作家を選出していただきました。作品に込めた思い、情熱、ひいては絵画・日本画の未来を探るという趣旨を追求したいと考えます。かつての若手作家が選んだ、これからの日本画界を担う今の若手作家から生み出される無限の可能性をご覧いただきたく思います。