本展では、当館のコレクションのなかから、さまざまな「子どもの時間」が描かれた作品を紹介します。
あそびの時間
子どもは自由な想像力をめいいっぱい使って、あそびます。『怪物を捕りにいきたい』では、最初は森のなかで目に見えないなにかの存在に怯えていた少年が、ときとともに次第に想像上の怪物たちといっしょに相撲をとったり、かくれんぼをしたりと、変化していきます。
日本の各地につたわる子どもたちのあそびなどを取材して、柳田国男が書いた『こども風土記』。ここでは初山滋が持ち前の流麗な線と装飾的センスを生かし、少女たちが草相撲であそぶ姿が描かれています。
ものおもう時間
よろこびや楽しみだけではなく、悲しみや怒りも子どもは持ちあわせています。アンドレア・ペトルリック・フセイノヴィッチの自伝的絵本『いつか空のうえで』では、少女が亡くした母親の思い出と喪失の哀しみを、空色とグレーの静かな色調で表現しています。
やすみの時間
あそんで体を動かしたり、考えたりした後は、子どもはよくやすんで明日のために力をつける必要があります。バシュの描いた『ガブリエラの本』では、ベッドのなかでぐっすりと眠っている少女と、ぱっちり目を開けている月や寝室の動物たちとの対比がほほえましく感じられます。
子どもの時間に戻って大人もどうぞお楽しみください。