彼女が金沢美大在学のころから知っている。
美術界の“流行の衣装”に敏感に反応するタチではないらしい。しかし作品を創るということは、もともと自分の世界を執念深く追い続けていくことだと思う。そういうひたむきな執念や探究心が、森本の作品にはいつも読み取られる。また彼女のそのような姿勢が、作品に装飾的な美しさだけでなく強い緊張感をみなぎらせているように思われる。わが国の女性作家には、このような執念形の持続的な探究心のある人が少ないだけに森本の存在はとても貴重だと思う。(1973年の文章から抜粋)
土岡秀太郎(1895-1979 古九谷研究家・北美創始者)