池上秀畝(いけがみしゅうほ)は、明治7(1874)年、長野県伊那市高遠町に生まれます。本名は国三郎。明治22年上京。師は荒木寛畝(あらきかんぽ)。秀畝は、江戸時代以来の流派様式の伝統を継承する、いわゆる「旧派」に属していましたが、古筆研究に現代的感覚の構図や色彩を重ね合わせ、当代に通用する山水図、花鳥図を追求しました。日本美術協会展、文展、帝展などに出品し活躍します。昭和19(1944)年没、71歳。
このたびの所蔵品展では、一門の合作や師荒木寛畝の作品(2点)、また同郷の画家中村不折(なかむらふせつ)の扁額など、計18点を展示致します。「蓬莱図」、「双鶴図」など新年を迎える季節にふさわしい作品や、大作「日蓮上人法難図」や、「鐘馗撃魔図」など厄除けにつながる画題の作品も並びます。ぜひご覧下さい。