誰もが予想だにしない色々な困難に見舞われた今年…私は何を描きたいか、描くべきか…自問し続けた時、それは、やはり光でした。
彼方に希望の光を感じる事ができたら人は頑張れる…
哀しみや苦しみの中にあっても、それが消える事がなくても、ゆく手に希望の光があれば人は頑張れる…心理学者の先生の言葉
31年前、次々降りかかる困難に絵を描き続ける事ももう無理かと思われた時に頂いた、初めて画廊企画での個展(海文堂ギャラリー:ギャラリー島田の前身)の約束が、わたしにとってのまさに希望の光でした。闇に一筋の希望の光があったから、寝る時間は2~3時間の日々が続いても頑張る事が出来た…。
光に向かう絵たちに、それぞれの光を感じて頂けたら幸いです。
井上よう子
静寂の深さ 沈黙の語り出すこと 絵による自画像である。
井上の作品が静かな抒情性を湛えたブルーであることは自明だが私が出会ってきたブルーシーンと今の表現はその深化において違う。身近を長く歩んできた。私の知る足取りは多くの苦難を他人(ひと)知らず作品の深度に変えてきた。個人史を自ら語ることはないが、深い、感懐を捧げたい。
島田誠