世界有数のやきもの文化を誇る日本。その歴史は1万2000年ともいわれています。当初は、祭祀に使用するうつわや食器などが中心で、鎌倉時代になると中国陶磁が上流階級の人々の間でつかわれるようになります。さらに、桃山時代になると、茶人たちによって日本のやきものにも価値が見出されるようになり、日本各地でやきものの生産が盛んに行われます。新たに登場した窯では大量生産が可能になり、釉薬も改良されたことでさまざまな色のうつわが短い間に次々と生み出されていきました。また、茶人や大名の指導のもと日本独自の個性豊かなうつわも多くつくられ、日本のやきものはめざましい発展を遂げていきます。
このたび、サンリツ服部美術館では日本陶磁史のなかで最も大きな変革期を迎えた桃山時代のやきものに注目した展覧会を開催いたします。
今もなお、多くの人々を魅了し続ける桃山時代の個性豊かなやきものの世界をお楽しみいただければ幸いです。