この度小山登美夫ギャラリーでは、福永大介展「はたらきびと」を開催いたします。本展は作家にとって当ギャラリーにおける5年ぶり6度目の個展となり、新作ペインティングを発表いたします。
【本展の新作について 「はたらきびと」の心象世界と生きる力】
本展の新作は、2011年の個展以来の、人物を主題とした作品となっています。作家の「自身の身近な体験からインスパイアされたイメージの中には、『人物』が含まれている」という気づきから、いくつかのバイトで働いていた場においての、自身も含めた「働いている人々」を描いています。
本展に際し、福永は次のように述べています。
「労働をしている最中はその職業人としての動きが表されるが、人間の基本的な寝ているポーズや歩いているポーズなどは労働に携わっている中でもその人物のパーソナリティーが現れているようで興味深いと思う。社会的役割としてのパーソナリティーと個人としてのパーソナリティーが共有されている様が魅力的に思う。
いうまでもなく人は何かしらの職業があって何かしらの労働をしている。もちろん絵を描くこと、芸術作品を作ることも労働という事ができる。一見何も生み出していないように見える状態でも労働をしていると言えるかもしれない。そうした意味においては労働というモチーフはかなり可能性と自由が拡がっていると思った。」
描かれている人物は、それぞれ物憂げだったり、休憩を楽しんでいるように見えますが、いずれも描かれた人物特有の心の奥底に深く踏み入るような、心象世界が画面いっぱいに広がっているようです。
人は何かしらの職業があって何かしらの労働をしている。労働と生きることは密接につながっており、作品からは「はたらきびと」の根源的な生命力や存在性も感じられるでしょう。福永の新たな挑戦をぜひご覧ください。