古来、お守り刀は作刀や刀剣研磨、木工芸、金工、漆芸、組紐などの日本伝統工芸の粋を集めて製作されてきました。このお守り刀の魅力を広く発信するため、「お守り刀展覧会」が開催され、今年は15回目の節目の年になる予定でした。しかしながら、100年に一度と言われる未知の感染症に世界が襲われ、4月には日本でも緊急事態宣言が発令され、すべての社会活動が中止に追い込まれました。当初お守り刀展覧会の中止も検討されましたが、逆にこのような時だからこそ、「魔を除け邪を祓う」という祈りが込められたお守り刀の力で、世の中の平穏を願うべきではないかと考え、形を変えて開催することとなりました。今回は、優れたお守り刀を集結し、日本だけでなく世界の禍を断ち切りたいという願いを込めて、対象を広げ、過去に制作され、各展覧会に出品されたお守り刀も募集対象とする特別展とし、会場に足を運んで下さる方々の健やかな人生を願う展覧会となることを期するものです。