これは、長らく美術家として活動してきた上村が初めて制作した絵本作品です。今年3月に出された限定版は好評のうちに完売。それを手にした方たちからの熱い声におされて、今秋、装いを新たにした普及版が刊行されました。少女が手にしているものは「言葉」「願い」そして「メッセージ」、そこからたちのぼるものは「のろし」であると、作者は語っています。
――戦争とは、どこからやってくるものなのか。その土壌を何が作ってしまうのか……。多くの人がそれぞれの場所で様々なことを模索し考えている時代に、一冊の絵本が問いかけるもの。それは、小さな力がつながっていくことの大切さと強さ。――絵本誕生までの数々の絵をご覧ください。 松田素子(編集者)