1992年石井さんと出会い、それから28年。寵児であり続けてきた。
石井さんに冠された「奇蹟の画家」は、その人のことではなく、生きてきた佇まいであり、その普遍さにある。石井さんは年月を重ねても変わらず淡々とあり、女神は清貧や孤独を宿すでもなく、美しくあった。パンデミックの時代精神が流し去っていく禍禍しくも虚飾まみれの男性論理、そこに背を向ける女性たちの佇まいはなべて美しい。その姿と自然体のままにある石井さんと作品は、今、思いかげないほど新鮮な気を孕んでいる。是非、その世界に浸っていただきたい。 島田誠