武蔵野市では、現在、2,500点を超える作品を所蔵しています。大きな軸となっているのは武蔵野市ゆかりの作家の作品です。野田九浦や小畠鼎子などのように、武蔵野市のみがまとまった数の作品を所蔵しているという作家も少なくありません。
所蔵作品を展示公開し、永く保存管理していくために、修復も継続的におこなっています。なかには、修復してはじめて展示できる状態になる作品もあります。
今回は、そうした経緯のある作品を中心に、関連資料とあわせ、約40点をご覧いただきます。このうち、小畠鼎子の《若竹》、織田一磨の《待乳山から隅田川》など7点は、修復を経て、収蔵後初めての公開となります。
作者なきあとも、作品は生き続けます。そして、たくさんの鑑賞者の眼によって、物質的な劣化とは別の次元で、成長を続けていきます。私たち吉祥寺美術館は、作品が包含するこうした「時間」も、大切に展示公開していきたいと考えます。
作品との対話が、皆さまにとって大切な時間となりますように。