バーチャルな時代において、虚構は虚構としてではなく現実として捉えられるようになった。それが真実か否かということが重要なのではなく、それを信じたいから信じる。流れてくる情報の真偽云々よりもそれが評価されているかどうかでそれが事実となってしまう時代だ。共同体が崩壊し、個人化が進展した現代において、私たちの生活は一方的に見る/見られる、という関係へと変容した。私はこのような世界で起こる様々な事象に対して違和感を感じると同時に、そこからどのような事を考え、行動に移すかが大事だと考える。それは例えば、虚構の世界に暮らしていたトゥルーマンが、この世界の構造やシステムに気づいてしまったときのように。私たちは私たちの世界に違和感を感じたとき、何を思い行動するのだろうか。