岡山県勝田郡勝央町出身の洋画家 高山 始(たかやま はじめ/1920-2013)は、岡山師範学校卒業後、東京緑陰舎でデッサンを学び、後に洋画家 日原 晃(岡山県津山市)に師事。1953年には光風会初入選(以降毎年出品)するとともに、1961年には第4回日展に初入選を果たします。以降中学校の教員をつとめるかたわら、岡山県北の美術の振興に尽力し、退職後は、後進の育成や生涯学習に非常に熱心に取り組みました。その仕事は、今日の美作地域の芸術文化力を考える上で欠かせぬものとなっています。
高山の作風は大きく二つ。油彩画では、日常の農村風景や営みを、日原門下らしい暗色を多用した重厚なタッチで描き、水彩画では、自ら育てた動植物などを、画家本来の持ち味であろう光あふれる透明感のある色彩で描き観るものを魅了します。今回は、その足跡をたどるため、画家の初期から晩年にいたる油彩画、水彩画、スケッチ等の作品と関連資料あわせて60点あまりを一堂に展示紹介いたします。